『鎧塚みぞれ』に至る過程
複雑な希美と分かりやすいみぞれ。この対比が一般的ではないでしょうか。そして何故みぞれが分かりやすいかというと行動基準が明確だから。すなわち、みぞれの全ての基準は希美でありそこを押さえればOKということからだと思います。
しかし本格的に鎧塚みぞれという人物を考えると、なんとなく分かることは分かるものの理解するには難しい壁があるように感じています。みぞれは容姿、能力、環境、全てに恵まれているキャラで、足りないのは自身の魅力への肯定だけ。普通ならこの『鎧塚みぞれ』には成長しない、よっぽどなレアルートを通ってこそ成り立つのかなと。
これについて考えを整理するための個人的メモ帳に近いまとめです。
難題ポイント
難しいと思うのは主に以下の2点。どのような前提もしくは過程でそうなったのか、これがスッと落ちてこなくてグルグル思考が回るのみ、なかなか結論が出てきません*1。なのでどのような経緯から高1時点の鎧塚みぞれが出来上がったのかについて色々な説を拝見しつつ脳内整理を。
- 「希美が私の全部」となる極端さ
- 希美以外&希美の内面への無関心
この過程については原作でも描写されていない前段階となるので、こんな感じならあり得るかも、もしくはこっちかもと正解のない妄想を楽しんでみます。
広がらない世界
みぞれが希美を特別に思う理由は特にリズにおいて印象的に描かれています。1人ぼっちだった、何もなかったみぞれを連れ出してくれたのが希美。まさに白馬の王子様的存在、みぞれにとってのヒーローです。
普通ならこれで世界が広がり、新たな体験や成長がおこります。例えばヤマノススメのひなたとあおいの関係のように。しかしみぞれの場合は自分の部屋に希美が入ってきてくれただけで、世界が広がったとは言えないように見えます。
吹部勧誘で希美が特別になったのは当然としても、なぜ希美以外に興味を持たない(持てない)のか、ここが理解する上での壁と感じているポイントです。
希美への傾倒
「希美が私の全部」に至るまでにはいくつかの過程があると思います。①傘木希美という存在を認識し一挙手一投足に注目するに連れその人柄・動きに惹かれていった、②希美からの何気ない行動がみぞれの中に宝物として積もっていった、③そもそも一目惚れであり最初から希美は崇拝対象である。
この分かりやすく考えられる3つの要因の他に何かあったのか、そのうちどれが一番大きな割合を占めるのか、作中では明らかにされていないだけに大いに想像の余地があるところ。希美への関心が深まっていくことはプラス(蓄積)の方向性なので心情的にも理解・共感が比較的容易です。
「私、希美がいなかったら、きっと楽器を吹いてなかった。なんにもなかった。だから、ありがとう。全部、希美のおかげ」
「最初に会ったとき、優しくしてくれてうれしかった。私みたいなやつに声をかけてくれて、友達になってくれて。みんなを引っ張っていくところ、すごいなって思ってた」(第二楽章後編p.306)
誘われて初めて一緒に吹奏楽部に行ったとき、徐々に仲良くなる時間、中心にいる希美を憧れの目で見るみぞれ。どのようなエピソードが積み重なっていったのかは各自想像してくださいと投げかけられているに違いありません。
めっちゃ余談ですが傘木希美イメージが「閃光少女」で、みぞれから見た希美イメージが「スーパースター」みたいだなと(閃光少女は麗奈イメージとのお話もいただき、こちらもピッタリで素敵*2)。今に全力かつ「切り取ってよ、一瞬の光を」がホントの話にある希美の吹奏楽への思いと一致*3していて、写真が趣味の希美だからこそ「写真機は要らないわ」も面白いなと。PVもダンスしてたりしますし。
でも、神さまの気まぐれみたいなひととき、たった一回の本番に、しびれるような快感と興奮が現れることがある。希美はその瞬間がたまらなく好きだ(短編2巻p.140)
一方のスーパースターについては、みぞれは自分以外の人間と希美のやりとりをまさに「テレビのなかのあなた」のように見ていたのではないかと。希美と他者の交流は自分が関われるものではないと考えている節があったように思います。後述する自己評価の低さの影響でしょうか?とにかくこの曲はメロディと歌声の切ない感じが希美を見るみぞれの心情を表しているようでたまりません。
なんだかんだ理由つけてますが好きな曲を語りたかっただけです。スーパースターの公式PVがないのが残念。
他者との関わり
みぞれはコミュニケーションが得意ではありません。しかしいわゆるコミュ症とも異なるように見えます。例えば希美の復帰の際には不安をあすかに吐露していたり*4、リズのときにも新山先生へ相談に出向いています。
希美復帰後なので状況は異なりますが、吹奏楽部日誌で描写された一幕では定期演奏会係としてテキパキと役割をこなし、久美子に対してしっかりと自身の意見を述べています。特に、ミラーボール導入やカメ役主張は人前お構いなしにできています。ここはいわゆるオタク属性に近いですね。
元々能力は高いんです、”やるべきこと” と認識できればキッチリこなせる。コミュニケーションが苦手というのは自身の魅力に対する評価の低さから自己否定を起こし、自らの動きを縛っている部分が大きいのではないかと。
一方で他者が関わらない場合には「意外と自信家」です(第二楽章後編p.176、短編2巻p.189)。個人で完結することに対しては、その能力の高さを無意識ながらも認識しています。
希美以外からの勧誘
みぞれは作中で綺麗とはっきり表現されているくらいに容姿が良く(2巻p.53)、進学コースに属しているように勉強もできます。そして何より庇護欲を誘うキャラです。
「一人で大丈夫かって心配しちゃうけど、みぞれのことやから世話焼いてくれる友達がいつの間にかできてそうやな」
「なんか、助けたらなって気にさせんのよ、みぞれは。そういうとこある」(吉川優子、短編2巻p.291)
このことを考えると、希美以外にもみぞれに声をかけた人物がいた可能性が大いにあり得ます。しかし結果的にみぞれが反応したのは希美だけでした。何故なのかについていくつかの推測を。
■小学生時代
小学生って運動神経が良くて明るくて声の大きいキャラがクラスの中心にいて、容姿はそこまで重要視されないイメージがあります。それゆえ北宇治美女*5に挙げられるであろうみぞれも目立たない存在として過ごしていたのかなと。
小学生の無邪気な残酷さで、みぞれの独特な感性が否定されたことすらあったかもしれません。そして自身の持つ魅力に気が付けずに自己評価が低い中学入学時点のみぞれが出来上がったという説が考えられます。
他には、秀一くんのような照れ隠し暴言*6を育ちが良い故に真に受けてしまった*7パターンもありえます。
■中学入学~希美による勧誘まで
次に中学時代はどうだったのかを。吹部勧誘以後は希美に傾倒していったとすると、それ以前、希美以外からの誘いの可能性について。
①誰にも誘われずいたみぞれに最初に声をかけたのが希美
これは何の捻りもなく直球パターン。中学に上がっても同小からのグループは残っているので、既存のグループからは外れていて新規のグループにも属せずにいたみぞれに最初に声をかけたのが希美だったというもの。
TV版では希美が先生のような人物からみぞれを誘ってやってと頼まれるような描写があるのではないかという推測もなされています。
②声をかけたくてもかけられなかった
中学になると小学生から意識の段階が1つ上がります。その中で儚げな美少女は目立つはず。しかしその容姿に尻込みして誘いたくても誘えない、誰か声かけてみろの水面下の争いが生じていたとか。そういうものに頓着のない希美が「フリーの美少女発見!」で周りの二の足に全く気付かず気軽に声をかけたというイケムーブの可能性。
③声をかけたが性格が合わなかった
少なくとも席の近い者同士の声掛け自体はあったように思います。話しかけてはみたものの独自のペースを刻むみぞれを理解できず、他の面白い人、面白いことに気をとられて疎遠になり、結果としてまた孤立してしまったパターンです。入学直後の多感な時期、目移りするものは無限にあります。
その上で希美がみぞれのマイペースとも付き合える人間だった*8というのであれば、みぞれが懐くのも納得です。
3つほどパターンを考えてみました。①+③もしくは②+③の混成が有力でしょうか?先の優子の言を参考にすると②を採用するのは結構面白いかもしれません。
自己評価の低さ
みぞれのキャラ紹介で意外に感じるのが「心理戦のゲームに強い」だと思います。希美以外からのアプローチに反応が薄く、肝心の希美の内面もちゃんと見てるとは全く言えないみぞれが心理戦とは?と。
しかしこれはむしろ心理戦に強いことが裏目に出た、魅力のない自分に対する相手の思いはこうだろうと最悪のケースを想定してしまう”ネガティブ思考の先回り”によるものと考えます。リズではダブルリードの会に誘われたときの「私が行っても楽しくないから」にその一端が見えますが、完全ダイレクトに出ているのが優子に対する発言です。
「優子は、私がかわいそうだから、優しくしてくれただけでしょう?希美がいなくなって、一人になった私がかわいそうだから。同情、してるだけ。違う?」(2巻p.262)
一方で態度から心理を読み取っている例として、ペットソロ騒動直後の優子がくみれいとギクシャクしていることを一目見ただけでズバッと指摘している場面が挙げられます*9。自分(+希美)が関わらなければ冷静に判断できることが見え隠れします。ただ、興味がないのでそれに関与はしません。
希美の内面を全く見ていないのは上記のネガティブ思考に加えて希美がみぞれにとってのスーパーヒーローであることにも関連しており、崇拝対象の心情を自分ごときが推し量るなんておこがましいという心理が働いていたのではないでしょうか。これが退部騒動時の無行動へと繋がるのだと思います。
希美以外への無関心
これはもう単純にみぞれの心が全て希美で埋まったからということなんでしょうね。では何故そう極端に全てが希美で埋められてしまったのか。前段の「希美への傾倒」で触れたように希美に惹かれてゆき、受容キャパシティの小さいみぞれ*10にとって希美が全てとなり、結果として他がはじき出されたのではないかと。これは高3のみぞれを考察した心の容量に繋がる部分もあるように感じます。
そして気が付けば心の全てが希美で埋まっていたのは、希美こそがみぞれの理想の人間であり、自分自身がそうありたかった存在だったからなのではないでしょうか。多くの友達に囲まれている姿、仲間を引っ張っていく姿勢、そしてなにより”快活なオーラ”。自分にないもの、欲しかったものを全て持っている存在に過剰に惹かれてしまうのは中学生という時期を考えるとある意味仕方のないことかもしれません。
希美と他者との関わりに介入しないのも、推しが活躍しているのを見ているだけで満足といった画面越しの世界を眺めている感覚で、希美を通して存在するものは実感が非常に薄いものだったのかなと。そして自分が手を出していい範囲でもないし、出すべきでもないと考えていたように見えます。
おまけで、希美の持つ美の性質はみぞれとは真逆と説明されていて(第二楽章後編p.300-301)、のぞみぞはまさに対の存在であるかのようです。あと、方々で指摘されていますが久美子の希美に対する目線表現は完全におっさんですねw
埼玉の従姉妹
鎧塚みぞれというキャラの成り立ちでとても気になるのが”埼玉の従姉妹”の存在です。ユーフォ原作においてみぞれは数少ない非関西弁キャラで、その理由がこの従姉妹と話しているうちに標準語が伝染したからというもの。
「従姉妹が埼玉にいる。たぶん、そのせい」
「あぁ、伝染っちゃったんですか。確かに、ずっと話してると標準語って伝染っちゃいますよね」
「うん」(2巻p.125)
従姉妹からというからには両親は周りのように関西弁。想像の方向性によっては悲しい家庭内事情が発生しますがこれは断固拒否します*11。おそらく、多くの会話を必要とせずとも言いたいことを理解してくれる、意思疎通ができる家庭だったのではないでしょうか。例えばサンデーで連載してる古見さんの周りのキャラのように*12。もしくは愛情は物凄い注いでいるけど海外が多く普段はなかなか会えないとかかも。
従姉妹に戻ると、みぞれとずっと会話を続けることの出来る人間というのは何者?と誰もがなります。そこでみぞれの”ツボにはまると行動的になる”という吹奏楽部日誌での特性を鑑みれば、みぞれと同じ独特な感性(ある意味オタク属性的な)を持っていた人物ではないかと推測されます。しかしこれで分からなくなるのが希美と会うまで「なんにもなかった」という発言です。趣味の合う人間いるじゃん、と。
家の中と家の外
なんとなく思ったのは、みぞれが欲しかったのは家族以外からの評価なのかな、と*13。家族が自分を構ってくれるのは家族なので当たり前。一方で家族以外はそんな自分を誰も構ってくれない、自分から踏み出す勇気もない、だから閉じこもっていた。
そんなときに希美が現れて光を当ててくれた、関心を持ってくれた。”広がらない世界”で希美がみぞれを連れ出したと書きましたが、みぞれからすると希美はみぞれを連れ出したのではなく「みぞれの家に入ってきてくれた」というのが正解なのかもしれません。だからこそみぞれの世界は広がらなかったのではないかと。
コミュニティの中心にいる希美の姿を窓枠から誇らしげに眺め、そのヒーローが気まぐれにドアを開けて遊びに来てくれるだけで十分に満たされていたのでしょう。希美と他者との関わりに干渉しない、もっと自分だけに構って欲しいといった願望を持たないのも、現状に満足していたことが大きな理由の1つだったと思います。
家の外に踏み出すことなく終わった中学時代、それ故に希美との関係が深まらなかったとも考えられます。
従姉妹の年齢
従姉妹の年齢設定、私は上記の会話を見てみぞれと同年代だと勝手に思い込んでたんですよね。でも、年上の従姉妹が小さいみぞれに喋ってという話を読み、これはありかもと目から鱗な気分でした。
小さいみぞれと一緒に遊んでくれて「おねーちゃんに電話するー」とかでみぞれも大いに懐いていたりするならば、その従姉妹が結婚等で気軽に連絡ができなくなったときの孤独感。従姉妹がいれば小学校周りで友達がいなくても気にならなかったのが、孤立する恐怖を認識し、”なにもない”と自虐する性格が形成された線も考えられそうです。
ここの年齢設定、どうするかは非常に面白そうですね!
とにかく鎧塚家周りは典型的な幸福感あふれる上流階級であってほしいなという思いが強くあります。友達ができたと報告したとき、吹奏楽部に入ると告げたとき、ご両親の喜びはいかほどかを見たいだけとも。
なお、鎧塚という姓が一番多いのは富山県で、日本では約100万人に2.8人が鎧塚姓だそうです(一方の傘木姓は長野県が最多)。
退部騒動時の行動
南中退部騒動、夏紀は蚊帳の外で行動出来なかったことを悔やみ、優子は香織先輩により繋ぎとめられ、みぞれは誘われなかった事実にトラウマを抱えます。ここでのみぞれに対する最大の疑問は、なぜ希美が苦しんでいる姿を見て何もしなかったのか?ということに尽きるでしょう。
色々考えてみたんですが、結局はみぞれにとって希美があまりにも大きな存在でありすぎたからなんだろうな、と思います。みぞれの中の希美はスーパーヒーロー、中3での挫折からもすぐ立ち直ってみんなを導いた。今回も自分ごときが気にかけるような問題じゃない。希美ならいつものように乗り越える、と。
希美は自分の問題を自分だけで処理しようとし、みぞれは自己評価の低さから自分が手出しすることではないと拙速に決めてしまう。希美もみぞれも自己完結型で相手に求めることが出来なかったが故のすれ違い。そしてネガティブ感情の先回りからみぞれは動けなくなります。
「私、希美に会うのが怖い。希美はたぶん、なんとも思ってない。あの子はべつに何も悪いことしてないから。勝手に辞めて悪いとか、そんなこと思うはずない。でも、その現実と向き合うのが怖い。あの子にとって私は大した存在じゃないって、それを突き付けられるのが怖いの」(2巻p.258-259)
突然訪れた充足した日々の終焉。ここでショックだったのは、希美がいなくなったことだけではなく、無意識に希美からの見返りを求めていたと気付いたことかもしれません。希美と他者の関わりに干渉しないのも、より仲の深まる行動を起こさないのも、現状の関係に満足していたから。それなのに希美がいなくなった途端、自分→希美と希美→自分の矢印の不均衡に恐怖する。完全な自己嫌悪に陥ります。
「気持ち悪い、こんなふうに友達に執着するなんて。」
「私は気持ち悪いと思う。自分自身が、気持ち悪い」
(2巻p.256,259)
現実にはこういう矢印の不均衡は人間関係全てにおいて存在しており、みんなそうなんだと認識し、それぞれが心の中で消化していくものです。経験の浅いこの年代、その中でも傘木希美と鎧塚みぞれという存在だからこそ生じた物語なのでしょう。
核心に触れない先送りとみぞれの純粋さ
高2での希美復帰によりこの問題は一時的に先送りされ、高3時に別の形で再び噴出することになります。ここで考えさせられるのはやはり「立華ならどうしたか?」というもの。めでたく増刷され、手に取りやすくなった名作。このあまりにもイケメンな先輩方だったらどう処理したかは永遠のテーマ。瀬崎未来先輩のカッコよさにしびれます。
そして、書くところがないのでここに強引にもう1つねじ込みます。原作における大好きのハグ前シーン、みぞれから希美へ以下の台詞があります。
「二人で関西大会に出るの、中学ぶり*14」
「二人ではな。みぞれは去年、全国まで行ったやん」
「でも、私はずっと、希美と頑張りたかった。全国出ようって、約束したから」(第二楽章後編p.300-301)
原作での希美は北宇治が弱小と知っていたため、高校入学時の目標は府大会金賞を目指そうと非常に現実的な設定をしています。また、TV版独自の南中バスでのみぞれとの約束も「金獲ろう」であって高校で全国という無茶は言っていません。となるとこの約束はどこか、南中2年時、希美が新部長に就任するときの意気込みです。
「来年はわたしら中学で最後のコンクールやし、マジで全国行こうな」
(傘木希美、2巻p.12)
”希美と”頑張りたいという意思を伝えられるようになった成長の一方で、3年以上前の約束を果たそうとする健気さ。なんですかね、「This is 鎧塚みぞれ」感があふれていてとても印象に残る場面です。
南中カルテット結成前夜
南中時代だとみぞれと優子は疎遠で、夏紀に至っては3人とは直接の面識すらない状態、まさに南中カルテット結成前夜の物語。Twitterから拝借のこの表現、ワクワクもんです。いわゆるエピソード0、DQの「ドラクエIII」、FFVIIの「CC FFVII」、Xenoblade2の「黄金の国イーラ」に当たるところ。
こういう前段の話、心惹かれますよね。長編漫画が過去編に突入して解き明かされる謎、繋がる点と点。うしおととら最高すぎます。
とにもかくにも、南中時代の4人がどのようにして過ごしていたのかは原作にもほぼありません。現時点では誰も知り得ないことです。だからこそ想像する余地があり、正解のない宝探しに旅立てます。
『鎧塚みぞれ』に至る前哨戦、リズBDが発売される今こそ改めて楽しんでみてはいかがでしょうか。
早朝の学校は静かだ。無人の運動場を見ていると世界を独り占めした気分になる。誰もいない廊下、誰もいない音楽室。朝焼け色が校舎を支配していた。世界は美しい。でも、君がここにいてくれたなら、もっと綺麗だ。
— 武田綾乃 (@ayanotakeda) 2019年3月18日
未練がましい自分の思考に溜息を吐き、私は音楽室の鍵を開けた。(ある日のみぞれ)
高3のみぞれについてはこちらで。
*1:人によってはどこが難しいのと思われるポイントかも
*2:個人的には希美と麗奈は結構共通部分があると感じています
*3:ところでこの本番、いつの時代のものでしょう?本筋と離れますが気になりますね
*4:切欠としてはあすか側がみぞれの異変を感じて問いかけた説もあり
*5:作中に美女説明がはっきりとある他の人物はあすか、香織、麗奈、そして優子も
*6:「しゃべってくんじゃねーよブス」、中3にもなってこれは・・・。久美子に頭が上がりませんね秀一くん(1巻p.28)
*7:家にグランドピアノが平然と置いてあり、音大へ行くための個人レッスン支出も問題がないような親の経済環境
*8:みぞれを理解しているかどうかは関係なく
*9:みぞれはソロ問題に全く関心を持っていなかったにも関わらず、2巻p.84-85
*10:ずっと一人でいたため心の成長速度がゆっくりだったと推測されます
*11:金持ちゆえの物だけ与えているネグレクトのような
*12:尾根峰さん一押しです
*13:みぞれ的に血縁の従姉妹も家族の範疇
*14:これで少なくとも中2では両者ともAメンバーに入っていたと確定